イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

 太陽の光を浴びて金色に輝く茶色の髪。
 大きな茶色の瞳。
 今日の千聖くんは縞模様のシャツに上着を羽織り、黒いズボンを履いている。
 わたしのランドセルは水色で、彼のランドセルは紺色。
 一緒にお店に行って、同じメーカーのものを買ったから、お揃いの色違いだった。
 さらに、彼とわたしのランドセルにはお揃いの猫のキーホルダーがついている。
 これはハンドメイドが得意な優夜くんが作ったもの。
 わたしが飼っているハチワレ猫をモデルにして作られた、お気に入りのキーホルダーなんだ。
「おはよう!」
「おはよう! 行こう!!」
 わたしは千聖くんと一緒に廊下を走り、マンションの階段を下り始めた。
 5階建てのこのマンションにはエレベーターがないのだ。
 お父さんは「エレベーターがないと不便だし、もっと大きくて綺麗なマンションに引っ越そう。我慢しなくていいんだよ? お金ならあるんだよ?」ってこれまで何度か言ってくれたけど、わたしが反対した。
 マンションの隣同士、家族ぐるみで仲良しの成海(なるみ)一家と離れたくなかったから。
 急いで階段を下りていると、足を踏み外してバランスを崩した。
 ぐらりと視界が傾く。
 ――やばいっ、落ちるっ!!
 階段の踊り場まではあと四段。
 この高さなら落ちても死にはしないだろうけれど、それでも落ちれば痛いに決まってる。
 心臓が恐怖でぎゅっと縮まった。
 そのとき、千聖くんの手が横から伸びてきて、抱き留められた。
 強い力で引っ張られ、浮いた足が再び階段に戻る。
「………………」
 ドキドキしながら横を見れば、千聖くんがわたしを抱きかかえてくれていた。
 くっついた腕に、千聖くんの息遣いすら感じる超至近距離に、頬の温度が跳ね上がる。
 わたしを強く抱きしめたまま、千聖くんは安心したように息を吐いた。
 その息がわたしの顔にかかって、心臓の音がさらに大きくなる。