イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

 不機嫌そうに着席した彼を見て、わたしはきゅっと唇を結んだ。
 だって、誰と付き合うかは千聖くんの自由だもん。
 わたしが口を出す権利なんて、ないよ。
 反対する理由もないし……。
 そのはず、なのに。
 千聖くんの前の席の春川さんが振り向いて、千聖くんと何か喋っている。
 春川さんは楽しそうに、千聖くんは面倒くさそうに。
 会話している二人を見ていると、やっぱりわたしの胸はズキズキと痛んだ。
「ねえ愛理ちゃん」
 急に話しかけられて、わたしははっとして顔を上げた。
 いつの間にか、わたしのすぐ傍に菜摘ちゃんが立っていた。
 菜摘ちゃんは何故かわたしを見つめて苦笑している。
 仕方ないなあこの子は、みたいな感じで。
「菜摘ちゃん。おはよう」
「おはよう。いいの? あれ。放っといても」
 菜摘ちゃんが視線で示した先には千聖くんたちがいる。
 何か春川さんが千聖くんの気に入るようなことを言ったらしく、千聖くんが笑った。
 ――あ、っ。
 その笑顔を見て、全身に衝撃が走った。