「千聖がまだ寝てるのよ。あの子のことだから、きっとまたゲームに熱中して夜更かししたんでしょう。というわけで、起こしてきてくれない?」
「えっ?」
わたしが!?
「愛理ちゃんが起こしに行ったら驚いて飛び起きると思うのよね。お願いできる?」
「え、でも千聖くん、わたしに寝顔を見られるのは嫌じゃないかな?」
「愛理ちゃん」
と、口を挟んだのは食事中の優夜くん。
彼は右手に箸を、左手にお茶碗を持ったまま、眼鏡越しにわたしを見つめた。
「いまなら『お母さんが行けって言った』ってことにできるよ? お兄ちゃんの寝顔を見るチャンスなんてなかなかないよ? ぼくが行っていいの? 後悔しない?」
「……行ってきます」
わたしはくるりと踵を返した。
「行ってらっしゃい」
麻弥さんが陽気に手を振る。
わたしは廊下を歩いて、優夜くんと千聖くんが共同で使っている部屋に向かった。
ドキドキしながら扉の前に立ち、控えめに扉をノックする。
「千聖くん。朝だよー」
返事はない。
ごめん千聖くん、わたしは好奇心に負けました! 許して!
「……失礼しまーす」
わたしはドアノブに手をかけた。
鍵のかかっていない扉を開け、おっかなびっくり入室する。
カーテンが締められたままの薄暗い部屋を歩く。
本棚に入っているのは教科書やノート、漫画本。
近くにある収納ラックにはゲームのソフトや小物が並んでいた。
足音を立てないように歩を進め、ベッドに歩み寄る。
水色のパジャマを着た千聖くんは仰向けの姿勢で眠っていた。
彼の枕元にはゲーム機が置いてある。麻耶さんの予想は大当たりだったみたいだ。
「えっ?」
わたしが!?
「愛理ちゃんが起こしに行ったら驚いて飛び起きると思うのよね。お願いできる?」
「え、でも千聖くん、わたしに寝顔を見られるのは嫌じゃないかな?」
「愛理ちゃん」
と、口を挟んだのは食事中の優夜くん。
彼は右手に箸を、左手にお茶碗を持ったまま、眼鏡越しにわたしを見つめた。
「いまなら『お母さんが行けって言った』ってことにできるよ? お兄ちゃんの寝顔を見るチャンスなんてなかなかないよ? ぼくが行っていいの? 後悔しない?」
「……行ってきます」
わたしはくるりと踵を返した。
「行ってらっしゃい」
麻弥さんが陽気に手を振る。
わたしは廊下を歩いて、優夜くんと千聖くんが共同で使っている部屋に向かった。
ドキドキしながら扉の前に立ち、控えめに扉をノックする。
「千聖くん。朝だよー」
返事はない。
ごめん千聖くん、わたしは好奇心に負けました! 許して!
「……失礼しまーす」
わたしはドアノブに手をかけた。
鍵のかかっていない扉を開け、おっかなびっくり入室する。
カーテンが締められたままの薄暗い部屋を歩く。
本棚に入っているのは教科書やノート、漫画本。
近くにある収納ラックにはゲームのソフトや小物が並んでいた。
足音を立てないように歩を進め、ベッドに歩み寄る。
水色のパジャマを着た千聖くんは仰向けの姿勢で眠っていた。
彼の枕元にはゲーム機が置いてある。麻耶さんの予想は大当たりだったみたいだ。

