イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「これからの態度と行動には気をつけて。もし優夜くんを傷つけたら、本当に許さないから。それじゃ」
 言いたいことを言い切ったわたしは、くるりとその場で半回転した。
 視線を上げて、階段を上ろうとして――そこで動きを止める。
 階段の上に立ってわたしを見ているのは、菜摘ちゃんだけじゃなかった。
 何故か、千聖くんが菜摘ちゃんの傍に立っていた。
 千聖くんはわたしを見て、なんだかとても嬉しそうな、誇らしそうな、そんな顔をしていた。
 菜摘ちゃんは千聖くんの傍でニコニコしている。
「千聖くん? いつの間に?」
 驚きながら階段を上り、二人の前に立つ。
「最初から見てたよ。愛理の様子がおかしかったから、こっそり後をつけてたんだ。優夜に用事があるのかと思ったら、まさかいじめっ子にお説教とは。何? 優夜があいつらに泣かされる夢でも見たわけ?」
 ぎくっ。
 その表情が表に出てしまったらしく、千聖くんは「やっぱりな」と笑った。
「ありがとう。優夜のために怒ってくれて。さっきの愛理、超格好良かった。世界で一番格好良かったよ」
 千聖くんは口の端をつり上げて、ニッと笑った。
 それは、わたしの胸を強く打つような、そんな笑顔で。
「……そ、そうかな」
 胸に、じわじわと喜びが広がっていく。
 格好良かった――それは、わたしの行動を評価し、賞賛する言葉。
 嬉しくて、つい、頬が緩んでしまう。
 照れていると、菜摘ちゃんが悪戯っぽい笑顔を浮かべて千聖くんに聞いた。
「成海くん、愛理ちゃんに惚れ直したんじゃない?」
「ほ!?」
 顔を真っ赤にして狼狽えている千聖くんの横を、田沼くんたちが気まずそうな顔をして足早に通り過ぎていった。
「な、何言ってんだよ河本さん! おれと愛理はそんなじゃねーから! ただの幼馴染だから!!」
「そ、そうだよ菜摘ちゃん! 変なこと言わないで!!」
 二人して慌てていると、
「もー、じれったいなあ……」
 何故か菜摘ちゃんは呆れ顔になった。