キミとわたしと未来のユメ

 ――そこでわたしは飛び起きた。
 とんでもない夢を見てしまったせいで、心臓がものすごくうるさい。
 花柄のパジャマは汗で濡れていて、身体はぶるぶる震えている。
 どうしよう、どうすれば――そうだ、千聖くんに電話!!
 嫌な夢を見たらとにかく電話しろって言われてるんだった!!
 わたしは枕元で充電中のスマホを手に取った。
 4年生になってクラブ活動が始まってから、お父さんが連絡用にと買ってくれたスマホ。
 とっくに充電が終わっているスマホからケーブルを引っこ抜き、千聖くんに電話をかける。
 千聖くん、起きてるかな。
 まだ寝てたらどうしよう。
 ハラハラしながら待っていると、千聖くんが電話に出てくれた。
『もしもし? どうしたんだよ、こんな朝から』
 起きてはいたらしく、千聖くんの声はしっかりしていた。
『また予知夢《よちむ》でも見たのか?』
 予知夢。千聖くんはわたしが見る未来の夢をそう呼ぶ。
『夢の中で見たことが本当に起きること』を予知夢っていうんだって。
「うん、『ひまわり公園』の近くの横断歩道で事故が起きるの!! 園田さんわかるよね!? 去年わたしたちと同じクラスだった園田さん!!」
『うん、わかる。わかるから落ち着け。耳が痛い』
 わたしが叫んでいるせいで耳がキーンってなったのかもしれない。
 反省して、わたしはちょっとだけ声を小さくした。
「園田さんと妹のここねちゃんが信号待ちしてて、そこに車が突っ込んでくるの! 園田さんがここねちゃんを庇って車に轢かれちゃう!」
『いつ?』
「朝! 今日かもしれない!」
 わたしは半泣きで言った。
 これまでの経験からして、わたしが見た予知夢は三日以内に必ず現実になる。
 だから、さっきの夢がただの夢ではなく、予知夢だったのなら。
 今日か明日か明後日の朝、園田さんは事故に遭う。