引っ越しの荷解きに追われたその日の夜。
わたしたちは近くのレストランで夕食を摂った。
じゃんけんで勝った順番にお風呂に入り、リビングで髪を乾かしていると、わたしよりも先に入浴を終えた千聖くんが近づいてきた。
千聖くんは紺色のパジャマを着ている。
彼のパジャマ姿を見るのは久しぶりだ。
「風呂上がりだとまっすぐなんだよな、愛理の髪って」
千聖くんは遠慮なくわたしの隣に座った。
振動が伝わり、彼の体重でソファが軽く沈む。
ソファの端っこに座ってテレビを見ていた優夜くんが、ちらっと兄を見た。
それからすぐにテレビに視線を戻す。
お風呂上がりの千聖くんと優夜くんが、自分の家で使っていたソファに座っている。
ジロさんは優夜くんの膝の上で丸まり、麻弥さんは床のカーペットに座って、優夜くんと同じようにテレビを見ている。
自分の家に成海一家がいる、この現実がとても不思議。
まるで夢でも見ているような気分だった。
「うん。濡れるとおとなしいの。でも乾くと爆発するんだよねえ。ずっとこの状態ならいいのに」
濡れた髪を摘まんでため息をつく。
「爆発してないと愛理の髪じゃねーだろ。貸して。引っ越し記念に、乾かしてやるよ」
「へ」
驚く暇もなく、千聖くんはわたしの手からドライヤーを取り上げた。
「向こう向いて」
「え。え?」
「いいから」
「…………」
困惑しながらも、わたしは言われた通り千聖くんに後頭部を向けた。
乾かしやすいように少しだけ俯くと、千聖くんはさらに近づいてきた。
ドライヤーのスイッチを入れ、温風をかけながらわたしの濡れた髪に触る。
わたしたちは近くのレストランで夕食を摂った。
じゃんけんで勝った順番にお風呂に入り、リビングで髪を乾かしていると、わたしよりも先に入浴を終えた千聖くんが近づいてきた。
千聖くんは紺色のパジャマを着ている。
彼のパジャマ姿を見るのは久しぶりだ。
「風呂上がりだとまっすぐなんだよな、愛理の髪って」
千聖くんは遠慮なくわたしの隣に座った。
振動が伝わり、彼の体重でソファが軽く沈む。
ソファの端っこに座ってテレビを見ていた優夜くんが、ちらっと兄を見た。
それからすぐにテレビに視線を戻す。
お風呂上がりの千聖くんと優夜くんが、自分の家で使っていたソファに座っている。
ジロさんは優夜くんの膝の上で丸まり、麻弥さんは床のカーペットに座って、優夜くんと同じようにテレビを見ている。
自分の家に成海一家がいる、この現実がとても不思議。
まるで夢でも見ているような気分だった。
「うん。濡れるとおとなしいの。でも乾くと爆発するんだよねえ。ずっとこの状態ならいいのに」
濡れた髪を摘まんでため息をつく。
「爆発してないと愛理の髪じゃねーだろ。貸して。引っ越し記念に、乾かしてやるよ」
「へ」
驚く暇もなく、千聖くんはわたしの手からドライヤーを取り上げた。
「向こう向いて」
「え。え?」
「いいから」
「…………」
困惑しながらも、わたしは言われた通り千聖くんに後頭部を向けた。
乾かしやすいように少しだけ俯くと、千聖くんはさらに近づいてきた。
ドライヤーのスイッチを入れ、温風をかけながらわたしの濡れた髪に触る。



