イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「だからね。後ろを確認しながら下りられるように鏡がついてるんだ」
「車のバックミラーみたいな感じですか?」
「そう、そんな感じ。千聖くんは理解が早いね」
「知りませんでした。誠二さんは物知りなんですね」
 麻弥さんは感心したように言った。

「いやいや、そんな。聞きかじった話ですよ」
「誠二さんさあ。母さんもだけど。そろそろお互いに敬語使うの止めたらどうですか? お試しとはいえ、これから家族として一緒に暮らすっていうのに、敬語を使うのはおかしくありません?」
 千聖くんがそう言うと、お父さんと麻弥さんは上昇するエレベーターの中で顔を見合わせた。
 それから、二人して照れくさそうに笑う。

「そうね、そうしましょう。これから敬語は禁止ってことで」
「うん。そうだね。麻弥さん。千聖くんも敬語は止めてくれると嬉しいな」
「……」
 自分のことを言われるとは思わなかったのか、千聖くんは目をぱちくりした。

「ああ、はい。じゃない。うん。わかった」
「敬語はなし。それがわたしたちの最初のルールね」
 麻弥さんが微笑んだ直後、エレベーターの上昇が止まって、扉が開いた。