イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「位置について。用意……」
 号砲が炸裂する。
 その音量に身を震わせつつ、わたしは他の出場選手と同時に走り出した。

「走れー!」
 生徒たちの声援に混じって千聖くんの声がした。
 その声がわたしに力をくれた。
 他の出場選手に追いつけなくても気にしない。
 簡単に追い抜かれてもめげない、挫けない。
 とにかく腕を振り、グラウンドを蹴って、全力で走る!

 お題が書かれた紙が置いてある場所に着いて、わたしは一番近くにあった紙を拾い上げた。
 ひっくり返してみると、そこには『クラスメイト』って書いてある。

 夢の中のわたしは、このお題を見て千聖くんと一緒に走ったんだ。
 クラスメイトなら誰でもいいはずだけど、わたしが一緒に走りたいのは、やっぱり千聖くんしかいないもんね!
 わたしは自分のクラスの応援席にいる千聖くんのところまで、ダッシュで向かった。
 千聖くんはわたしを待っててくれたみたいに、ラインのぎりぎりのところに立っていた。
 おそろいの赤いハチマキが、青空の下で風になびいている。