イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

 開会のことばから始まった運動会。
 徒競走と低学年のリレーが終わり、次はいよいよわたしが出場する借りもの競争だ。
 時坂小学校の『借りもの競争』は『借り物』だったり『借り者』だったりする。
 お題によって物だったり人だったりするんだ。
 でも、千聖くんと一緒に走ってたってことは、わたしが引くお題は『借り者』なんだろうな。
 いよいよ出番となり、わたしはスタートラインに立った。
 同じスタートラインに立つ生徒は六人。
 わたしの隣の男子生徒は屈伸していて、いかにも気合十分! って感じだ。
 単純な足の速さじゃ、絶対勝てないだろうなあ……。
「愛理ー、頑張れー!」
「愛理ちゃーん!! ファイトー!!」
 保護者席からお父さんと麻弥さんの声が飛んできて、わたしの顔は火が出そうなほどに熱くなった。
 うう、応援してくれるのは嬉しいけど、恥ずかしいから止めてほしい。
 前回の出場選手のほとんどがゴールしたところで、スターターピストルが掲げられた。
 わたしは身構えた。
 スターターピストルの音は苦手だ。
 あの音、どうにかならないものかなあ。心臓に悪いんだけど。