春川さんの愛らしい笑顔を見ていると、なんだか胸の奥がズン……と重くなる。
そんなふうに、彼女のことがなんとなく苦手に感じてしまうのは、小学三年生のときに行われた学芸会のせいかもしれない。
小学三年生のとき、わたしは春川さんと同じ一組だった。
話し合いの末、一組では学芸会で創作シンデレラをやることになった。
当時、流行っていたアニメの影響もあって、お姫様に憧れていたわたしは思い切ってシンデレラに立候補した。
希望者が多かったから、誰がシンデレラをやるかはジャンケンで決めることになった。
ジャンケンで勝ったのは春川さん。
それで終わりなら良かったんだけど、問題はここからだ。
その後、わたしは教室の端っこで行われたクラスメイトたちの会話を聞いてしまった。
「シンデレラが春川に決まって良かったよ」
「やっぱりお姫様に相応しいのは春川しかいないよなあ。可愛いし」
「ブスなお姫様とかあり得ないよねえ。加藤さんとか藤原さんとかじゃ、駄目とはいわないけど、やっぱりさあ……ねえ?」
「春川さんに比べると……ねえ?」
ふふっ、と、嘲るような女子の笑い声。
「来見さんとか、よく立候補したよね。あんな鳥の巣みたいな髪したシンデレラ、やだよ。ギャグマンガの爆発後ですか? っていう」
あはははは。
その笑い声は、三年経ったいまでも棘のようにわたしの心に突き刺さって、抜けないまま。
わたしはお姫様にはなれない。相応しくない。
そう痛感させられた出来事だった。
春川さんは千聖くんのことが好きだ。
それは雰囲気でわかる。
春川さんがクラス委員になったのも、千聖くんが先にクラス委員に立候補したからだろう。
春川さんと千聖くんと同じ班で、春川さんの友達の吉田さんと木下さんは二人をくっつけようとしている。
この前の班行動のときも、千聖くんは不自然に春川さんと二人きりにされたらしい。
千聖くんは春川さんのことは特になんとも思ってないみたいだけど、ずっとそうだとは限らない。
もし春川さんに猛アプローチにされて、告白されたら、千聖くんは何て答えるんだろう。
……いや、まあ、わたしが気にすることじゃないんだけど。
わたしたちはただの幼馴染なんだし。
千聖くんだって、春川さんにわたしとの関係を聞かれたときはただの幼馴染だって言ってたもんね。
そんなふうに、彼女のことがなんとなく苦手に感じてしまうのは、小学三年生のときに行われた学芸会のせいかもしれない。
小学三年生のとき、わたしは春川さんと同じ一組だった。
話し合いの末、一組では学芸会で創作シンデレラをやることになった。
当時、流行っていたアニメの影響もあって、お姫様に憧れていたわたしは思い切ってシンデレラに立候補した。
希望者が多かったから、誰がシンデレラをやるかはジャンケンで決めることになった。
ジャンケンで勝ったのは春川さん。
それで終わりなら良かったんだけど、問題はここからだ。
その後、わたしは教室の端っこで行われたクラスメイトたちの会話を聞いてしまった。
「シンデレラが春川に決まって良かったよ」
「やっぱりお姫様に相応しいのは春川しかいないよなあ。可愛いし」
「ブスなお姫様とかあり得ないよねえ。加藤さんとか藤原さんとかじゃ、駄目とはいわないけど、やっぱりさあ……ねえ?」
「春川さんに比べると……ねえ?」
ふふっ、と、嘲るような女子の笑い声。
「来見さんとか、よく立候補したよね。あんな鳥の巣みたいな髪したシンデレラ、やだよ。ギャグマンガの爆発後ですか? っていう」
あはははは。
その笑い声は、三年経ったいまでも棘のようにわたしの心に突き刺さって、抜けないまま。
わたしはお姫様にはなれない。相応しくない。
そう痛感させられた出来事だった。
春川さんは千聖くんのことが好きだ。
それは雰囲気でわかる。
春川さんがクラス委員になったのも、千聖くんが先にクラス委員に立候補したからだろう。
春川さんと千聖くんと同じ班で、春川さんの友達の吉田さんと木下さんは二人をくっつけようとしている。
この前の班行動のときも、千聖くんは不自然に春川さんと二人きりにされたらしい。
千聖くんは春川さんのことは特になんとも思ってないみたいだけど、ずっとそうだとは限らない。
もし春川さんに猛アプローチにされて、告白されたら、千聖くんは何て答えるんだろう。
……いや、まあ、わたしが気にすることじゃないんだけど。
わたしたちはただの幼馴染なんだし。
千聖くんだって、春川さんにわたしとの関係を聞かれたときはただの幼馴染だって言ってたもんね。

