「見ろよあれ。あいつ女子と登校してるぜ」
――ん?
背後から聞こえてきた声が気になった。
振り返ると、登校中の生徒の中に見知らぬ二人の男子がいた。
何故かわからないけど、こっちを凄い目で睨んでいる。
「気にしなくていいよ、愛理ちゃん」
ちらっとそちらを見て、そう言ったのは優夜くんだった。
「優夜くんと同じクラスの子?」
「うん。背が高いほうが田沼くんで、隣にいるのが三井くん。二人とも五年生になって初めて同じクラスになったんだけど、ぼくが気に入らないらしくて、何かと突っかかってくるんだ」
「え。大丈夫なの? いじめられたりしてない?」
田沼くんたちは意地悪そうな顔をして、こちらを――優夜くんを睨んでいる。
雰囲気が、いかにも『いじめっ子』って感じだ。
「優夜。正直に言え。いじめられてるのか?」
問い詰める千聖くんは真顔だった。
すぐ近くに皆がいるのに、猫を被ることも忘れている。
千聖くんは優夜くんをいじめる人間を絶対に許さない。
お父さんが家で暴力を振るったときも、何度も身を挺してぼくやお母さんを守ってくれたんだよって、優夜くんは言っていた。
いつも矢面に立ってお父さんと喧嘩ばかりしてたから、口が悪くなっちゃったけど。
本当は誰よりも優しい、自慢のお兄ちゃんだって。
「そんなことないよ。大丈夫」
優夜くんはあっさりとした口調で答えた。
「…………」
無理をしているようには見えない。
数秒をかけてそう判断したらしく、千聖くんは安心したように小さく息を吐いた。
「そしあいつらに何かされたらすぐ言えよ。おれがぶっ飛ばしてやるから」
千聖くんは胸の前でぐっと拳を握った。
――ん?
背後から聞こえてきた声が気になった。
振り返ると、登校中の生徒の中に見知らぬ二人の男子がいた。
何故かわからないけど、こっちを凄い目で睨んでいる。
「気にしなくていいよ、愛理ちゃん」
ちらっとそちらを見て、そう言ったのは優夜くんだった。
「優夜くんと同じクラスの子?」
「うん。背が高いほうが田沼くんで、隣にいるのが三井くん。二人とも五年生になって初めて同じクラスになったんだけど、ぼくが気に入らないらしくて、何かと突っかかってくるんだ」
「え。大丈夫なの? いじめられたりしてない?」
田沼くんたちは意地悪そうな顔をして、こちらを――優夜くんを睨んでいる。
雰囲気が、いかにも『いじめっ子』って感じだ。
「優夜。正直に言え。いじめられてるのか?」
問い詰める千聖くんは真顔だった。
すぐ近くに皆がいるのに、猫を被ることも忘れている。
千聖くんは優夜くんをいじめる人間を絶対に許さない。
お父さんが家で暴力を振るったときも、何度も身を挺してぼくやお母さんを守ってくれたんだよって、優夜くんは言っていた。
いつも矢面に立ってお父さんと喧嘩ばかりしてたから、口が悪くなっちゃったけど。
本当は誰よりも優しい、自慢のお兄ちゃんだって。
「そんなことないよ。大丈夫」
優夜くんはあっさりとした口調で答えた。
「…………」
無理をしているようには見えない。
数秒をかけてそう判断したらしく、千聖くんは安心したように小さく息を吐いた。
「そしあいつらに何かされたらすぐ言えよ。おれがぶっ飛ばしてやるから」
千聖くんは胸の前でぐっと拳を握った。

