しばらくして、千聖くんが戻ってきた。
「お帰り」
「ただいま。やっぱり事故が起きたんだな」
千聖くんはちらっと事故現場を見た。
項垂れている運転手さんの周りには二人の大人がいて、大丈夫ですかと声をかけている。
「うん。でも、見た感じ、運転手さんは怪我はしてないみたいだよ。園田さんたちは?」
「コンビニの前で別れた。愛理が夢で見たルートとは違うルートで学校に向かったんだろ。みんな無事で良かったな」
千聖くんは微笑んだ。
「うん。千聖くんのおかげだよ。わたしじゃ道案内してもらって遠ざける、なんて思いつかないもん。やっぱり千聖くんは頭いいねえ。テストもいっつも満点だし」
「まあ、確かにおれは半分以下の点数なんて取ったことないな。どこかの誰かと違って」
千聖くんは意地悪そうに笑った。
「…………」
どこかの誰か。
それはわたしのことだ。
この前の算数のテスト、45点だったもんな。
「ところで、朝ごはんは食べた?」
「ううん、まだ」
「おれもパン食べてる途中だった。コンビニでおにぎりでも買って食べていく? あそこ、イートインスペースあるし」
「え、でも、登下校中にコンビニに寄ったらダメなんだよ?」
「馬鹿だなー、校則は破るためにあるんだよ」
「嘘だ! 破ったら先生に怒られるよ!?」
「人助けしたんだからいいじゃん、今日くらい」
「それも嘘だ! 下校中にコンビニでアイス買って食べてたって優夜くんが言ってたもん!」
「ちっ。あいつ、チクりやがったな」
「うわあ……学校じゃみんなの憧れ、素敵な爽やか王子様なのに……実はこんなに口が悪くて平気で校則を破るような人だって知ったら、みんなゲンメツするだろうなあ……」
「うるせーな、心配しなくてもおれの演技は完璧だ。おれが素を出すのは家族と愛理だけだよ」
「ふーん……」
なんだか特別みたいで嬉しくて、ついニヤニヤしてしまう。
幼馴染の特権ってやつだよね、これって。
「お帰り」
「ただいま。やっぱり事故が起きたんだな」
千聖くんはちらっと事故現場を見た。
項垂れている運転手さんの周りには二人の大人がいて、大丈夫ですかと声をかけている。
「うん。でも、見た感じ、運転手さんは怪我はしてないみたいだよ。園田さんたちは?」
「コンビニの前で別れた。愛理が夢で見たルートとは違うルートで学校に向かったんだろ。みんな無事で良かったな」
千聖くんは微笑んだ。
「うん。千聖くんのおかげだよ。わたしじゃ道案内してもらって遠ざける、なんて思いつかないもん。やっぱり千聖くんは頭いいねえ。テストもいっつも満点だし」
「まあ、確かにおれは半分以下の点数なんて取ったことないな。どこかの誰かと違って」
千聖くんは意地悪そうに笑った。
「…………」
どこかの誰か。
それはわたしのことだ。
この前の算数のテスト、45点だったもんな。
「ところで、朝ごはんは食べた?」
「ううん、まだ」
「おれもパン食べてる途中だった。コンビニでおにぎりでも買って食べていく? あそこ、イートインスペースあるし」
「え、でも、登下校中にコンビニに寄ったらダメなんだよ?」
「馬鹿だなー、校則は破るためにあるんだよ」
「嘘だ! 破ったら先生に怒られるよ!?」
「人助けしたんだからいいじゃん、今日くらい」
「それも嘘だ! 下校中にコンビニでアイス買って食べてたって優夜くんが言ってたもん!」
「ちっ。あいつ、チクりやがったな」
「うわあ……学校じゃみんなの憧れ、素敵な爽やか王子様なのに……実はこんなに口が悪くて平気で校則を破るような人だって知ったら、みんなゲンメツするだろうなあ……」
「うるせーな、心配しなくてもおれの演技は完璧だ。おれが素を出すのは家族と愛理だけだよ」
「ふーん……」
なんだか特別みたいで嬉しくて、ついニヤニヤしてしまう。
幼馴染の特権ってやつだよね、これって。


