私の体にメスを入れて

木造のテーブルや椅子が並んだ店内には、黒電話やどこか昭和レトロなポスターが飾られている。

「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」

店員にそう言われ、私は迷うことなく緑川と女性の後ろの席に腰掛けた。紙製のメニューを捲りながら、緑川と女性の会話に耳を傾ける。

「プリントーストに苺のパフェ。どれもおいしそうですね!迷っちゃいます〜」

「ゆっくり選んでくださいね」

「クロタニさんはもう何を頼むか決まったんですか?」

ドクンと心臓が跳ねた。緑川じゃなくてクロタニとあの女性は言った。きっとそれが緑川の本名なんだろう。

(あの女性との関係性は何?)

気になってスイーツどころではなくなった。結局ホットコーヒーのみを注文し、二人の会話に耳を立てる。

「クロタニさんが一緒に出掛けてくれて嬉しいです。あのお見合い以来ですよね」

「すみません。仕事が色々と入ってしまっていて」

「仕方ないですよ。警察官ってそういうものでしょ?父を見てきたからわかります」