中学二年生 冬
スマホの画面、公開ボタンをタップした指先が少し震えていた。
私の「実話」が、今、知らない誰かの元へ飛んでいった。
心臓がうるさい。
誰かに見られたいけど、誰にも見られたくない。
中1のあの時、君に突き放したような言葉を投げた、あの惨めな瞬間をさらけ出した。まるで、透明な告白。でも、どこが安心している自分がいる。やっと誰かに伝えようとすることができた。
「彼とケンカしてるの?」
と心配してくれた親友にさえ言葉を濁してしまった私でも。
一歩踏み出せた気がしてるけど、親友に、彼に、本当のこと、言わないといけないことを言えてない事実は変わっていない。
むしろ、ネットの海に本音を放流した分、現実の私の口はもっと重くなってしまった気がする。
親友には、相変わらず「なんでもないよ」と笑って。
彼とは、視線さえ合わせられないまま。
私がどれだけ指先で勇気を振り絞っても、現実の私はまだ、一年前のあの日から一歩も動けていない。
魔法はそう簡単に解けないみたいだ。
しばらくして画面を覗くと、PVは「0」のまま。
……だよね。そんなにすぐ誰かが読むわけない。
そう思って、もう一度更新ボタンを押した。
そこには、信じられない文字が浮かんでいた。
【PV数:1】
「……えっ」
冷たい部屋で、声が漏れた。
誰かが見つけてくれた。私の、あのシトラスの記憶を。
でも、嬉しいはずなのに、急に喉の奥がキュッとなる。
「次を書かなきゃ」
「期待に応えなきゃ」
「でも、あの気まずい続きを、どう言葉にすればいいの?」
スマホを握ったまま、画面の白さが目に刺さる。
書きたいのに、指が動かない。
PVが1増えるたびに、誰かに心の中を覗かれていると思うと、スマホを伏せた。
でも、その『1』が、どうしても私を次の1行へと急かす。
深呼吸をして、私はまた、あの日の廊下の続きを思い出す。
気まずくて、痛くて、でも書かずにはいられない、あのシトラスの続きを。
スマホの画面、公開ボタンをタップした指先が少し震えていた。
私の「実話」が、今、知らない誰かの元へ飛んでいった。
心臓がうるさい。
誰かに見られたいけど、誰にも見られたくない。
中1のあの時、君に突き放したような言葉を投げた、あの惨めな瞬間をさらけ出した。まるで、透明な告白。でも、どこが安心している自分がいる。やっと誰かに伝えようとすることができた。
「彼とケンカしてるの?」
と心配してくれた親友にさえ言葉を濁してしまった私でも。
一歩踏み出せた気がしてるけど、親友に、彼に、本当のこと、言わないといけないことを言えてない事実は変わっていない。
むしろ、ネットの海に本音を放流した分、現実の私の口はもっと重くなってしまった気がする。
親友には、相変わらず「なんでもないよ」と笑って。
彼とは、視線さえ合わせられないまま。
私がどれだけ指先で勇気を振り絞っても、現実の私はまだ、一年前のあの日から一歩も動けていない。
魔法はそう簡単に解けないみたいだ。
しばらくして画面を覗くと、PVは「0」のまま。
……だよね。そんなにすぐ誰かが読むわけない。
そう思って、もう一度更新ボタンを押した。
そこには、信じられない文字が浮かんでいた。
【PV数:1】
「……えっ」
冷たい部屋で、声が漏れた。
誰かが見つけてくれた。私の、あのシトラスの記憶を。
でも、嬉しいはずなのに、急に喉の奥がキュッとなる。
「次を書かなきゃ」
「期待に応えなきゃ」
「でも、あの気まずい続きを、どう言葉にすればいいの?」
スマホを握ったまま、画面の白さが目に刺さる。
書きたいのに、指が動かない。
PVが1増えるたびに、誰かに心の中を覗かれていると思うと、スマホを伏せた。
でも、その『1』が、どうしても私を次の1行へと急かす。
深呼吸をして、私はまた、あの日の廊下の続きを思い出す。
気まずくて、痛くて、でも書かずにはいられない、あのシトラスの続きを。
