では早速確認してみよう、ということで、有栖先輩が拓馬を呼びに行ってくれた。
乃亜は項垂れ、いまにも死にそうな顔をしている。
対してわたしの心は晴れやかだった。
わくわくしながら待っていると、拓馬を連れて有栖先輩が戻って来た。
有栖先輩に続いて、拓馬が視聴覚室に足を踏み入れる。
「拓馬!」
わたしは歓喜して彼を出迎えた。
洗脳が解けた彼の第一声を心から楽しみにしていた。
それなのに。
「は? なんでお前がここにいるんだよ」
その一言で、その敵意に満ちた眼差しで、わたしは全てを悟った。
拓馬の洗脳は、まだ解けていない。
「呼び捨てにするなって言わなかった? 何なのお前」
期待が大きかった分、跳ね返って来る絶望もまた大きかった。
この状況は予想外だったらしく、全員が一様に戸惑いを浮かべている。
「どうして」
陸先輩の肩の上で、リスが困惑の声をあげた。
本当にリスは拓馬の洗脳を解いたらしい。
それじゃあ何故、拓馬はこんな顔で、こんな冷たい目で、わたしを見るんだろう。
「乃亜、なんでそんな顔してるんだ?」
拓馬が立ち尽くしている乃亜に気づき、心配そうに声をかけ、その肩を掴んで引き寄せた。
拓馬はまだ乃亜を恋人と認識しているらしい。
「まさか、またこいつに何かされたんじゃないだろうな」
「違うよ拓馬」
拓馬が暴言を吐くことを危惧してだろう、有栖先輩がやんわりと割って入ってくれた。
「野々原さんは何もしてない。ただ純粋に会話を楽しんでいただけだとぼくが保証するよ。でももう話は終わったし、彼女を教室まで連れて行ってあげて」
「……わかりました」
有栖先輩が笑顔で促すと、拓馬は不審そうな顔をしながらも、乃亜を連れて部屋を出て行った。
乃亜は項垂れ、いまにも死にそうな顔をしている。
対してわたしの心は晴れやかだった。
わくわくしながら待っていると、拓馬を連れて有栖先輩が戻って来た。
有栖先輩に続いて、拓馬が視聴覚室に足を踏み入れる。
「拓馬!」
わたしは歓喜して彼を出迎えた。
洗脳が解けた彼の第一声を心から楽しみにしていた。
それなのに。
「は? なんでお前がここにいるんだよ」
その一言で、その敵意に満ちた眼差しで、わたしは全てを悟った。
拓馬の洗脳は、まだ解けていない。
「呼び捨てにするなって言わなかった? 何なのお前」
期待が大きかった分、跳ね返って来る絶望もまた大きかった。
この状況は予想外だったらしく、全員が一様に戸惑いを浮かべている。
「どうして」
陸先輩の肩の上で、リスが困惑の声をあげた。
本当にリスは拓馬の洗脳を解いたらしい。
それじゃあ何故、拓馬はこんな顔で、こんな冷たい目で、わたしを見るんだろう。
「乃亜、なんでそんな顔してるんだ?」
拓馬が立ち尽くしている乃亜に気づき、心配そうに声をかけ、その肩を掴んで引き寄せた。
拓馬はまだ乃亜を恋人と認識しているらしい。
「まさか、またこいつに何かされたんじゃないだろうな」
「違うよ拓馬」
拓馬が暴言を吐くことを危惧してだろう、有栖先輩がやんわりと割って入ってくれた。
「野々原さんは何もしてない。ただ純粋に会話を楽しんでいただけだとぼくが保証するよ。でももう話は終わったし、彼女を教室まで連れて行ってあげて」
「……わかりました」
有栖先輩が笑顔で促すと、拓馬は不審そうな顔をしながらも、乃亜を連れて部屋を出て行った。

