「有栖先輩は存在する世界を間違えたんだと思うんだ。あの人がいるべき世界は剣と魔法のファンタジーだろ。配役は魔王か邪神で確定だろ」
「ああ……それはわたしも思う。もし有栖先輩が魔王だったら、魔王城で呑気に勇者パーティーを待ったりせず、勇者が誕生した瞬間全力で殺しに行きそうだよね」
「たとえ相手が赤ん坊でも『それが何?』とか言いそうだよな……血も涙もねえ……見てあれ……」
「もう許してください。わたしが悪かったです」
幸太くんが親指で示した先で、リスは白旗を上げた。
現在リスは有栖先輩の手により再び鷲掴みにされている。
その身体には有栖先輩の靴跡がたくさんついていた。
「もう降参? 早すぎるだろ、もっと頑張れよ。俺が悪魔ならお前は何だ? 人の心を操って、散々好き放題しやがって。相応の覚悟はできてるんだろ、できてないとは言わせねえよ」
有栖先輩はリスを握る手に力を込めた。
偽りの人格は崩壊し、地金が出てしまっている。
「ああああできてませんでした謝ります嫌ですもう嫌ですごめんなさいぃぃ」
締め上げられ、リスはとうとう泣き始めた。
可愛らしいリスの泣き声を聞いても、有栖先輩は同情するどころか舌打ちした。
「……もう止めてやれ有栖。頼むから。な?」
陸先輩の精神のほうが先に参ったらしく、彼は有栖先輩の腕を掴んで止め、強引にリスをその手から奪い取った。
「陸さあああん」
リスは陸先輩の胸にしがみつき、大声で泣いた。
小さな身体が震えている。
もはやどちらが悪役かわからない状態である。
有栖先輩は忌々しそうにリスを一瞥した後、ため息をついた。
そして、床にへたり込んで震えている乃亜に目を向けた。
「で? 君はいつまでそうしてるの? そうやって震えてれば許されると思ってるんじゃないだろうね?」
「す、すみません……っ」
有栖先輩に睨まれ、乃亜は真っ青な顔で正座し、胸の前で手を組んだ。
「わたしが間違ってました。拓馬への洗脳は解きます。もう二度と人の心を操ったりしません。誓います。ですからどうか許してください」
乃亜は手を組んだまま、頭を下げた。
有栖先輩が皆を見回す。
どうする? とその目が問うていた。
「ああ……それはわたしも思う。もし有栖先輩が魔王だったら、魔王城で呑気に勇者パーティーを待ったりせず、勇者が誕生した瞬間全力で殺しに行きそうだよね」
「たとえ相手が赤ん坊でも『それが何?』とか言いそうだよな……血も涙もねえ……見てあれ……」
「もう許してください。わたしが悪かったです」
幸太くんが親指で示した先で、リスは白旗を上げた。
現在リスは有栖先輩の手により再び鷲掴みにされている。
その身体には有栖先輩の靴跡がたくさんついていた。
「もう降参? 早すぎるだろ、もっと頑張れよ。俺が悪魔ならお前は何だ? 人の心を操って、散々好き放題しやがって。相応の覚悟はできてるんだろ、できてないとは言わせねえよ」
有栖先輩はリスを握る手に力を込めた。
偽りの人格は崩壊し、地金が出てしまっている。
「ああああできてませんでした謝ります嫌ですもう嫌ですごめんなさいぃぃ」
締め上げられ、リスはとうとう泣き始めた。
可愛らしいリスの泣き声を聞いても、有栖先輩は同情するどころか舌打ちした。
「……もう止めてやれ有栖。頼むから。な?」
陸先輩の精神のほうが先に参ったらしく、彼は有栖先輩の腕を掴んで止め、強引にリスをその手から奪い取った。
「陸さあああん」
リスは陸先輩の胸にしがみつき、大声で泣いた。
小さな身体が震えている。
もはやどちらが悪役かわからない状態である。
有栖先輩は忌々しそうにリスを一瞥した後、ため息をついた。
そして、床にへたり込んで震えている乃亜に目を向けた。
「で? 君はいつまでそうしてるの? そうやって震えてれば許されると思ってるんじゃないだろうね?」
「す、すみません……っ」
有栖先輩に睨まれ、乃亜は真っ青な顔で正座し、胸の前で手を組んだ。
「わたしが間違ってました。拓馬への洗脳は解きます。もう二度と人の心を操ったりしません。誓います。ですからどうか許してください」
乃亜は手を組んだまま、頭を下げた。
有栖先輩が皆を見回す。
どうする? とその目が問うていた。


