乙女ゲームの世界に転生しちゃったんですけど~ヒロインは恋のライバルです!?~

「拓馬が乃亜と付き合ってるのは本心じゃない。それが乃亜の望みだから、神さまが拓馬の恋心を上書きしちまったんだ。本当に拓馬が好きなのは悠理なのに、乃亜だと錯覚させられてる」
「何それ……それが本当なら、許せない!」
 皮膚が痛みを覚えるほどに強く手を握る。
「……でも、相手は神さまなんでしょう? どうやって対抗するの?」
「対抗できるとしたら有栖しかいない」
「白石先輩?」
 驚いた。
「でも、いま白石先輩は神さまに操られてる状態なんだよね?」
「そうだ。だから由香、お前にはなんとか有栖の目を覚まさせてほしい。あいつが無理なら誰にも無理――ぶしゅっ」
 ハムスターはくしゃみをして、ぶるりと震えた。
「ああ、ごめんね。タオル持ってくるから、ちょっと待ってて」
 私は急いで部屋を飛び出した。
 心臓が期待にドキドキと鳴っている。
 ――大福くんの存在は、きっと現状を打開する鍵になる!