「オイラ大福って言うんだ。よろしく」
ハムスターは後ろの二本足で立ったまま、ぺこり、と頭を下げてきた。
「………………」
その礼儀正しい様子を見て、私は少しだけ警戒を解いた。
何だろうこのハムスター。
文字通りに濡れ鼠で、みすぼらしくて、怪しいことこの上ない。
でも、理性的で、飛び掛かってくるような気配もない。
「信じられないと思うけど聞いてくれ。オイラ悠理の友達……いや、友達っていうのかな……とにかく味方なんだ。オイラはずっと悠理の傍にいた。一時期は悠理の家で飼われてもいた。だからお前のことも知ってる、中村由香」
ハムスターは窓枠に立って、両手を広げた。
「悠理って……悠理ちゃんのこと?」
私は恐る恐る屈んで、小さなハムスターと目線を合わせた。
「そうだ。お前の友達の野々原悠理だ。オイラは悠理が拓馬のことで傷ついて泣いてたことも知ってるし、一色乃亜の正体も知ってる。全てがおかしくなっちまったのは乃亜のせいなんだ。正確に言うと乃亜の傍にいる神さまが原因だ。あいつをどうにかしないと永遠に拓馬は乃亜のものだし、悠理は泣いたまんまだ。オイラそんなの許せない。お前もそうだろ。だから協力を頼みたい」
「ちょ、ちょっと待って。一体何がなんだか……神さま?」
喋るハムスターとの出会いだけで衝撃なのに、彼(?)が話す内容も、頭痛を誘発するには十分すぎた。
こめかみを押さえて揉んでいると、ハムスターは頷いた。
「ああ。神さまは乃亜がありとあらゆる面で有利になり、皆に愛されるよう仕向けている。四股をかければ非難を浴びて当然だろう。その相手が人気者ならなおさらな。それを『大したことじゃない』ことにし、乃亜が何をしても許される空気を作り出しているのがこいつだ。拓馬たちの心を操ってるのもな」
「!? ちょっと待って、心を操るって……!?」
唖然としてハムスターを見ると、ハムスターは再び頷いた。
ハムスターは後ろの二本足で立ったまま、ぺこり、と頭を下げてきた。
「………………」
その礼儀正しい様子を見て、私は少しだけ警戒を解いた。
何だろうこのハムスター。
文字通りに濡れ鼠で、みすぼらしくて、怪しいことこの上ない。
でも、理性的で、飛び掛かってくるような気配もない。
「信じられないと思うけど聞いてくれ。オイラ悠理の友達……いや、友達っていうのかな……とにかく味方なんだ。オイラはずっと悠理の傍にいた。一時期は悠理の家で飼われてもいた。だからお前のことも知ってる、中村由香」
ハムスターは窓枠に立って、両手を広げた。
「悠理って……悠理ちゃんのこと?」
私は恐る恐る屈んで、小さなハムスターと目線を合わせた。
「そうだ。お前の友達の野々原悠理だ。オイラは悠理が拓馬のことで傷ついて泣いてたことも知ってるし、一色乃亜の正体も知ってる。全てがおかしくなっちまったのは乃亜のせいなんだ。正確に言うと乃亜の傍にいる神さまが原因だ。あいつをどうにかしないと永遠に拓馬は乃亜のものだし、悠理は泣いたまんまだ。オイラそんなの許せない。お前もそうだろ。だから協力を頼みたい」
「ちょ、ちょっと待って。一体何がなんだか……神さま?」
喋るハムスターとの出会いだけで衝撃なのに、彼(?)が話す内容も、頭痛を誘発するには十分すぎた。
こめかみを押さえて揉んでいると、ハムスターは頷いた。
「ああ。神さまは乃亜がありとあらゆる面で有利になり、皆に愛されるよう仕向けている。四股をかければ非難を浴びて当然だろう。その相手が人気者ならなおさらな。それを『大したことじゃない』ことにし、乃亜が何をしても許される空気を作り出しているのがこいつだ。拓馬たちの心を操ってるのもな」
「!? ちょっと待って、心を操るって……!?」
唖然としてハムスターを見ると、ハムスターは再び頷いた。
