「勘違いしないで、そりゃ、味方になってもらえないのは残念だけど、それとこれとは話が違うでしょ! わたしは大福と会えて良かったと思ってるよ。大福が乃亜の味方で、将来敵に回るっていうならそれでもいい。一年後、乃亜が現れるまでの間だけでもいいからここにいてよ。夜中に回し車で走る音が聞こえなくなったら嫌だよ。大福がいなくなったら寂しいよ。お願いだからいなくなるなんて言わないで」
懇願すると、大福はしばらく動かず、やがて、ぽつりと言った。
「……変な奴だなあ、悠理って。オイラは敵だって言ってんのにさ」
大福は前足で鼻を掻いた。
「敵っていうほど大げさなものじゃないでしょ。拓馬との恋においては乃亜《ライバル》の味方なのかもしれないけど、それだけじゃない」
大福は無言で、わたしに背中を向けた。
「大福?」
「……オイラが神さまから与えられた使命は乃亜《ヒロイン》の恋を見守ること。乃亜が運命の相手として拓馬を選んだ場合、妨げとなる存在は排除する。たとえそれがお前であろうと、誰であろうとだ」
「うん。知ってる」
「……でも……」
酷く言いづらそうに、大福は小さな声で言って、ますます背中を丸めた。
「でも?」
「……使命を抜きにして、本音を言うことを許されるなら。乃亜が拓馬じゃなくて、他の相手を選べばいいと思ってる。そしたらお前が拓馬と恋をしても自由だし」
わたしは目を見開いて、大福の背中を見つめた。
「本当は拓馬の感情制限が外れた時点で神さまに報告しなきゃいけなかったんだ。でも、お前に対する拓馬の好感度ゲージがどんどん上がってるなんて報告したら問答無用でゼロに戻されるだろうから、言ってない。だって、お前の泣き顔とか、見たくないし……」
大福はぼそぼそと、聞き取りづらい声で喋り続ける。
「……こんなこと神さまに言ったら怒られるだろうけど。オイラだって好きでお前の邪魔をしたいわけじゃ――」
「大福愛してるっ!!」
「ぐえっ」
わたしは大福を顔の高さまで持ち上げ、全力で頬ずりした。
懇願すると、大福はしばらく動かず、やがて、ぽつりと言った。
「……変な奴だなあ、悠理って。オイラは敵だって言ってんのにさ」
大福は前足で鼻を掻いた。
「敵っていうほど大げさなものじゃないでしょ。拓馬との恋においては乃亜《ライバル》の味方なのかもしれないけど、それだけじゃない」
大福は無言で、わたしに背中を向けた。
「大福?」
「……オイラが神さまから与えられた使命は乃亜《ヒロイン》の恋を見守ること。乃亜が運命の相手として拓馬を選んだ場合、妨げとなる存在は排除する。たとえそれがお前であろうと、誰であろうとだ」
「うん。知ってる」
「……でも……」
酷く言いづらそうに、大福は小さな声で言って、ますます背中を丸めた。
「でも?」
「……使命を抜きにして、本音を言うことを許されるなら。乃亜が拓馬じゃなくて、他の相手を選べばいいと思ってる。そしたらお前が拓馬と恋をしても自由だし」
わたしは目を見開いて、大福の背中を見つめた。
「本当は拓馬の感情制限が外れた時点で神さまに報告しなきゃいけなかったんだ。でも、お前に対する拓馬の好感度ゲージがどんどん上がってるなんて報告したら問答無用でゼロに戻されるだろうから、言ってない。だって、お前の泣き顔とか、見たくないし……」
大福はぼそぼそと、聞き取りづらい声で喋り続ける。
「……こんなこと神さまに言ったら怒られるだろうけど。オイラだって好きでお前の邪魔をしたいわけじゃ――」
「大福愛してるっ!!」
「ぐえっ」
わたしは大福を顔の高さまで持ち上げ、全力で頬ずりした。
