唐揚げに卵焼き、タコの形にしたウィンナー、ほうれん草のコーン、ポテトサラダ。
野菜が少ないけど、今日は特別。栄養バランスも予算も度外視だ。
「今日の弁当、すげえ豪華じゃね? おれの好きなのばっか」
翌日の昼休み。
拓馬はお弁当の蓋を開けるなり、嬉しそうにそう言った。
彼の右頬はガーゼで覆われている。
大げさだと本人は言ったけれど、外すと青あざが痛々しく、とても直視できない。
少なくとも目立たなくなるまで、わたしの前では外さないで欲しいとお願いした。
「喜んでくれたなら嬉しいよ。昨日は本当に大変だったと思うし……」
目を伏せて、言い淀む。
親友のために身体を張ってまで尽くしてくれた拓馬に何と言えばいいんだろう。
ありがとう? ごめんなさい?
「……ありがとうとごめんなさいの気持ちを込めて」
迷った末、わたしは両方の言葉を口にした。
「なんでお前が謝るんだよ」
タコの形のウィンナーを食べてから、拓馬が言う。
「だって。わたしが拓馬に彼氏役なんて頼んだからこんなことになったんだし……責任感じずにはいられないよ」
わたしは拓馬の右頬のガーゼを見た。
「何言ってんだか。危険を承知で井田を挑発したのはおれだ。悠理が後悔することなんて何もない」
「でも……」
なおも言いかけたわたしを、強い眼差しで拓馬は強制的に黙らせた。
それからまた、ご飯を食べ始める。
わたしは押し黙り、箸を進めるしかなくなってしまった。
「このドレッシングって市販のやつ?」
不意をつくタイミングで、拓馬がサラダを箸で摘まみ、聞いてきた。
「え。ううん。手作り。オリーブオイルとレモン汁と醤油と、酢と塩こしょうも少し入れて……」
「ふうん。市販のやつより美味いな」
拓馬は微笑んだ。
野菜が少ないけど、今日は特別。栄養バランスも予算も度外視だ。
「今日の弁当、すげえ豪華じゃね? おれの好きなのばっか」
翌日の昼休み。
拓馬はお弁当の蓋を開けるなり、嬉しそうにそう言った。
彼の右頬はガーゼで覆われている。
大げさだと本人は言ったけれど、外すと青あざが痛々しく、とても直視できない。
少なくとも目立たなくなるまで、わたしの前では外さないで欲しいとお願いした。
「喜んでくれたなら嬉しいよ。昨日は本当に大変だったと思うし……」
目を伏せて、言い淀む。
親友のために身体を張ってまで尽くしてくれた拓馬に何と言えばいいんだろう。
ありがとう? ごめんなさい?
「……ありがとうとごめんなさいの気持ちを込めて」
迷った末、わたしは両方の言葉を口にした。
「なんでお前が謝るんだよ」
タコの形のウィンナーを食べてから、拓馬が言う。
「だって。わたしが拓馬に彼氏役なんて頼んだからこんなことになったんだし……責任感じずにはいられないよ」
わたしは拓馬の右頬のガーゼを見た。
「何言ってんだか。危険を承知で井田を挑発したのはおれだ。悠理が後悔することなんて何もない」
「でも……」
なおも言いかけたわたしを、強い眼差しで拓馬は強制的に黙らせた。
それからまた、ご飯を食べ始める。
わたしは押し黙り、箸を進めるしかなくなってしまった。
「このドレッシングって市販のやつ?」
不意をつくタイミングで、拓馬がサラダを箸で摘まみ、聞いてきた。
「え。ううん。手作り。オリーブオイルとレモン汁と醤油と、酢と塩こしょうも少し入れて……」
「ふうん。市販のやつより美味いな」
拓馬は微笑んだ。



