「おはよう、由香ちゃん」
早足で歩み寄る。
「あ、悠理ちゃん……おはよう」
由香ちゃんは弱々しく笑った。
あまり眠れていないのか、目の下にうっすらと隈がある。
「どうしたの? 靴、履き替えないの?」
「うん……」
由香ちゃんはためらいを見せてから、靴箱の蓋に手をかけた。
蓋が開いた途端、三通もの封筒がバラバラとすのこに落ち、一通は由香ちゃんのローファーの上に落ちた。
差出人は同一人物らしく、どれも同じファンシーな熊の封筒で、裏側には赤いハートのシールが貼られてある。
しかも由香ちゃんの靴箱の中の上履きには、まだいくつか同じ封筒が乗っていた。
数えてみると、落ちた封筒と全部合わせて七通。
ハートのシールが貼られていることからして、中身はラブレターなんだろうけど……さすがに、ここまでいくと狂気を感じる。
「…………」
由香ちゃんは足元に散らばる封筒を見て真っ青になり、ふらっ……とその小柄な身体を傾けた。
「由香ちゃん!」
慌てて由香ちゃんの身体を抱き留める。
由香ちゃんはわたしに縋りつくようにしてその場に座り込んだ。
「も、もう無理……もうダメ……こうなったら転校するしか……」
わたしの腕の中で、由香ちゃんは頭を抱えて震えている。
「どうしたの、ののっち、中村さん」
幸太くんの声が聞こえて、わたしは由香ちゃんを抱いたまま顔を上げた。
登校中に偶然出会ったらしく、幸太くんと拓馬が歩いてくる。
「え、なにこれラブレター? 全部同じ封筒に見えるんだけど。どういうこと?」
「詳しい話は後だろ。中村さん、立てる? 保健室連れて行こうか?」
拓馬が屈んで言う。
「大丈夫……」
由香ちゃんは苦痛に耐えるようにきつく目を閉じた後、封筒を集めて立ち上がり、また弱々しく笑った。青い顔で。
「心配かけてごめんね。大したことじゃないの」
「そんなわけないでしょう。どう見ても」
わたしが腕を掴むと、由香ちゃんは諦めたように項垂れた。
「ねえ由香ちゃん、どうしたの。何があったの。教えて」
早足で歩み寄る。
「あ、悠理ちゃん……おはよう」
由香ちゃんは弱々しく笑った。
あまり眠れていないのか、目の下にうっすらと隈がある。
「どうしたの? 靴、履き替えないの?」
「うん……」
由香ちゃんはためらいを見せてから、靴箱の蓋に手をかけた。
蓋が開いた途端、三通もの封筒がバラバラとすのこに落ち、一通は由香ちゃんのローファーの上に落ちた。
差出人は同一人物らしく、どれも同じファンシーな熊の封筒で、裏側には赤いハートのシールが貼られてある。
しかも由香ちゃんの靴箱の中の上履きには、まだいくつか同じ封筒が乗っていた。
数えてみると、落ちた封筒と全部合わせて七通。
ハートのシールが貼られていることからして、中身はラブレターなんだろうけど……さすがに、ここまでいくと狂気を感じる。
「…………」
由香ちゃんは足元に散らばる封筒を見て真っ青になり、ふらっ……とその小柄な身体を傾けた。
「由香ちゃん!」
慌てて由香ちゃんの身体を抱き留める。
由香ちゃんはわたしに縋りつくようにしてその場に座り込んだ。
「も、もう無理……もうダメ……こうなったら転校するしか……」
わたしの腕の中で、由香ちゃんは頭を抱えて震えている。
「どうしたの、ののっち、中村さん」
幸太くんの声が聞こえて、わたしは由香ちゃんを抱いたまま顔を上げた。
登校中に偶然出会ったらしく、幸太くんと拓馬が歩いてくる。
「え、なにこれラブレター? 全部同じ封筒に見えるんだけど。どういうこと?」
「詳しい話は後だろ。中村さん、立てる? 保健室連れて行こうか?」
拓馬が屈んで言う。
「大丈夫……」
由香ちゃんは苦痛に耐えるようにきつく目を閉じた後、封筒を集めて立ち上がり、また弱々しく笑った。青い顔で。
「心配かけてごめんね。大したことじゃないの」
「そんなわけないでしょう。どう見ても」
わたしが腕を掴むと、由香ちゃんは諦めたように項垂れた。
「ねえ由香ちゃん、どうしたの。何があったの。教えて」
