「無邪気さは君の長所だけど、余計な一言によって二人の仲がこじれて破局、なんてことになれば恨まれるよ? 発言はよく考えてしようね?」
にこにこしながら白石先輩が言う。
「すみませんでした……オレの発言は気にしないでください……」
息を荒らげて震えながら、緑地くん。
「う、うん……」
冷や汗が頬を流れる。
白石先輩は極力怒らせないようにしよう。
拓馬ルート以外はプレイしてないけど、白石先輩の本当の一人称は「俺」で、猫かぶりの二重人格だって、実はわたし、知ってるんです。
「でもぼくも驚いたな。拓馬が他人の、それも女子の手料理を受け入れるようになるとはね。酷いときは吐いたりしてたでしょう。これでも心配してたんだよ?」
視界の端で悶絶している緑地くんのことは目に映っていないのか、微笑みを顔に張り付けたまま白石先輩がレモンスカッシュを手に取り、飲む。
彼の所作は一つ一つが綺麗だ。
どの場面を切り取っても絵になり、育ちの良さがわかる。
「心配かけてすみません。でも大丈夫です。悠理のことは信用してますから」
信用してる――その一言が、わたしの胸を熱くした。
「あ、あのさ、拓馬」
ちょうどいい機会だ、言ってしまえ。
ここで言えば、きっと拓馬に好意的な白石先輩たちは後押ししてくれるはず。
「何?」
「良かったらその……これからわたしがお弁当を作ったりするのはダメ、かな?」
「え」
拓馬は目を丸くした。
拓馬のご両親は仕事の都合で海外にいるため、拓馬はアパートで一人暮らしをしている。
そして壊滅的に料理ができない拓馬は、お昼はいつも購買か食堂で済ませていた。
にこにこしながら白石先輩が言う。
「すみませんでした……オレの発言は気にしないでください……」
息を荒らげて震えながら、緑地くん。
「う、うん……」
冷や汗が頬を流れる。
白石先輩は極力怒らせないようにしよう。
拓馬ルート以外はプレイしてないけど、白石先輩の本当の一人称は「俺」で、猫かぶりの二重人格だって、実はわたし、知ってるんです。
「でもぼくも驚いたな。拓馬が他人の、それも女子の手料理を受け入れるようになるとはね。酷いときは吐いたりしてたでしょう。これでも心配してたんだよ?」
視界の端で悶絶している緑地くんのことは目に映っていないのか、微笑みを顔に張り付けたまま白石先輩がレモンスカッシュを手に取り、飲む。
彼の所作は一つ一つが綺麗だ。
どの場面を切り取っても絵になり、育ちの良さがわかる。
「心配かけてすみません。でも大丈夫です。悠理のことは信用してますから」
信用してる――その一言が、わたしの胸を熱くした。
「あ、あのさ、拓馬」
ちょうどいい機会だ、言ってしまえ。
ここで言えば、きっと拓馬に好意的な白石先輩たちは後押ししてくれるはず。
「何?」
「良かったらその……これからわたしがお弁当を作ったりするのはダメ、かな?」
「え」
拓馬は目を丸くした。
拓馬のご両親は仕事の都合で海外にいるため、拓馬はアパートで一人暮らしをしている。
そして壊滅的に料理ができない拓馬は、お昼はいつも購買か食堂で済ませていた。
