婚約者にバカにされ続けた侯爵令嬢が「ざまぁ」するに至るまで

 結局、エリオットはファーストダンスまでには戻ってきた。

 オリン公爵夫妻にいたく叱られて不機嫌ではあったが、ミラジェーンに軽く頭を下げて謝罪した。


「……すまなかった。ダンスがあまり得意ではないから、避けたかったんだ」


 ミラジェーンは、にこりと微笑んでエリオットを見上げた。


「まあ、でしたら今度一緒に練習いたしましょう。私もあまり得意ではありませんの。エリオット様は身のこなしが軽くていらっしゃるから、きっと練習すればすぐに踊れますわ」


「……僕は、君のそういうところが……いや、そのうち。音楽が始まったから行こう」


「はい、よろしくお願いします」


 ミラジェーンはエリオットとともに、ホールの中央へと進んだ。

 並んで一礼し、向かい合う。

 音楽に合わせて二人は踊り出した。



 エリオットの踊りは、上手くもなく、下手でもなかった。

 後ほどミラジェーンが聞いたところでは、オリン夫人に厳しくしつけられたらしい。

 その後、第一王子とルーシーが踊り、ホール全体が賑やかになってきた。