桜木学園、歴史研究科百人一首部 〜桜の下、託された記憶〜

 私は脚本を書きたくて、野宮さんの弟に声をかけたの。
 藤堂くんとはライバルになってしまったけれど、それでも良かった。
 彼とは、ライバルでいた方が楽しいって思えたから。

 だから。

 なんだか、穂奈美と藤堂くんの話に動揺したような志津音から「詩波は嫉妬とかしないの?」と聞かれたときは志津音が穂奈美に嫉妬心を抱いているとしか思えなくて。

 志津音が私を気遣ってくれているのかな、なんて到底考えつかなかった。

 ごめんね、志津音。
 でも、大丈夫だよ。
 だから、志津音も藤堂くんのこと好きになっても良いからね。

 ああ、あの日が懐かしいなぁ。
 忙しかったけど、それでも笑い合っていられて。
 お互い輝いていたね。
 ーーー志津音。
 
 覚えているかな、あの日。
 嘘も隠し事もなくてさ。
 
 今度こそ、後悔はさせない。
 お願いします、あの日のあなたの力を貸してください。