『高卒で大した学歴もなければ、職歴もない。頼れる親ももういない。 そんなお前に何不自由ない暮らしを与えたのは誰だ、俺だろ。 それなのに何が不満なんだ、お前は恩を仇で返すのか?』 あの日の隆二の言葉が頭の中をぐるぐると回っている。 本当にその通りだ。 隆二の言動でたくさん傷つけられ、苦しんだ。 けれど、彼と過ごした日々は全部が全部記憶から消し去りたいほど酷かったわけではない。 幸せな瞬間だってあった。