鬼同期が家だとオカンだったし、その後スパダリに進化した

「で、なあに?」

「……俺のイメージ良くないって言ってたじゃん」

「うん」

「良くないかな」

「いいか悪いかで言えば、悪いよ」


 長谷川の顔が渋くなった。

 なんだ。やっぱり自覚なかったんだ。


「だって言い方キツイもん。その内パワハラで人事に怒られてもやむなし」

「そんなに?」

「無自覚にもほどがあるでしょ」


 日頃のうっぷんが溜まっていたせいで、つい私の言葉遣いが悪くなってしまった。

 いけない。このままだと私の方がパワハラになっちゃう。


「なんか、いつも怒ってるみたいな言い方するじゃない?」

「そんなつもりねえよ」

「そうなの? 昨日、『何年やってんだ』って言われたけど」

「……軽口くらいのつもりだったけど、駄目だった?」

「駄目だねえ。『あと百回読み直してこい』も駄目だよ。課長に言われなかった?」


 長谷川は気まずそうに目を逸らした。


「『疲れてるなら、一息入れておいで』とは言われたけど」


 あー……それ、やんわりし過ぎて伝わらなかったやつだ。

 ていうか、あれを軽口のつもりで言ってるなら、けっこうはっきり言わないと伝わらないタイプなのかも。

 どう言えば伝わるかなと考えていたら、私の前にコーヒーのジョッキが置かれて、長谷川の前にはコーヒーと大きなエビカツサンドが運ばれてきた。

 いいなあ!

 でも、さすがにまだ、コメダのエビカツサンドを頼めるほどお腹が空いてない。明日ひとりで食べに来ようかな。

 長谷川を見ると、なぜか少し困ったような顔をしていた。