夕方。紫くんに頼まれて資料のレビューをしていると、長谷川が戻ってきた。
「長谷川さん、お疲れさまです。立花先輩借りてます」
「おつかれ。俺のじゃねえけど、丁重に扱えよ」
「そのつもりです。世話になってますので。先輩、親切だからつい頼っちゃうんですよね」
「あ、自覚あった? もうちょい自分でやって? 長谷川はおかえり。明日の資料、用意したからあと三十分くらいしたら声かける」
「ただいま、わかった」
長谷川が立ち去ってから、紫くんの資料のレビューに戻る。
誤字脱字はだいぶ減ったし、それ以外のミスもなくなってきたから、あとは見やすさを気にしてほしい。
そういうところを指摘して切り上げようとしたら、紫くんがくすくす笑った。
「長谷川さん、意外とわかりやすいですよね」
「何が?」
「いや、立花先輩が気づいてないならいいです。レビューありがとうございました」
紫くんは、そのまま去って行った。
何言ってるんだ……。
とにかく、資料を印刷して長谷川のところに持って行った。
「お待たせ。今いい?」
「おう。紫は大丈夫そう?」
「大丈夫。誤字脱字チェック機能って偉大だね」
「そっちかよ」
資料を渡して目を通してもらい、気になるところだけ確認しておしまい。
「これだけならメールでもよかったね」
「いや、紙で見た方がわかりやすいし、次からも紙で頼む」
「わかった。明日、何時くらいに行く?」
「午前中って言われてるから、朝礼終わったら出て、昼飯食って帰ってこよう。立花、好き嫌いないだろ? お客様先の近くにうまい飯屋あってさ」
長谷川がスマホで地図を開いたから、横から見せてもらう。
おお、和食だ。いいね。そろそろウナギとか食べたい季節なんだよね。肝吸いがついてる店だと嬉しい。
長谷川おすすめの店も、魚料理がメインの店だった。
ウナギはなさそうだけど、ホッケや鮭の西京焼きがおいしそうだ。
「魚メインかあ、いいけどお酒飲みたくなっちゃう」
「立花が飲みたくならない飯って逆にあんの?」
「……ドーナツとか?」
「それ、飯じゃねえよ」
そうやって笑った長谷川は、今までになく柔らかい表情をしていて、なんかいいものを見られた気がした。
「長谷川さん、お疲れさまです。立花先輩借りてます」
「おつかれ。俺のじゃねえけど、丁重に扱えよ」
「そのつもりです。世話になってますので。先輩、親切だからつい頼っちゃうんですよね」
「あ、自覚あった? もうちょい自分でやって? 長谷川はおかえり。明日の資料、用意したからあと三十分くらいしたら声かける」
「ただいま、わかった」
長谷川が立ち去ってから、紫くんの資料のレビューに戻る。
誤字脱字はだいぶ減ったし、それ以外のミスもなくなってきたから、あとは見やすさを気にしてほしい。
そういうところを指摘して切り上げようとしたら、紫くんがくすくす笑った。
「長谷川さん、意外とわかりやすいですよね」
「何が?」
「いや、立花先輩が気づいてないならいいです。レビューありがとうございました」
紫くんは、そのまま去って行った。
何言ってるんだ……。
とにかく、資料を印刷して長谷川のところに持って行った。
「お待たせ。今いい?」
「おう。紫は大丈夫そう?」
「大丈夫。誤字脱字チェック機能って偉大だね」
「そっちかよ」
資料を渡して目を通してもらい、気になるところだけ確認しておしまい。
「これだけならメールでもよかったね」
「いや、紙で見た方がわかりやすいし、次からも紙で頼む」
「わかった。明日、何時くらいに行く?」
「午前中って言われてるから、朝礼終わったら出て、昼飯食って帰ってこよう。立花、好き嫌いないだろ? お客様先の近くにうまい飯屋あってさ」
長谷川がスマホで地図を開いたから、横から見せてもらう。
おお、和食だ。いいね。そろそろウナギとか食べたい季節なんだよね。肝吸いがついてる店だと嬉しい。
長谷川おすすめの店も、魚料理がメインの店だった。
ウナギはなさそうだけど、ホッケや鮭の西京焼きがおいしそうだ。
「魚メインかあ、いいけどお酒飲みたくなっちゃう」
「立花が飲みたくならない飯って逆にあんの?」
「……ドーナツとか?」
「それ、飯じゃねえよ」
そうやって笑った長谷川は、今までになく柔らかい表情をしていて、なんかいいものを見られた気がした。



