エリスとイリオが森の奥で休んでいる頃、レイヴンはカラスの姿で空を飛びながら、森の手前にあるだだっ広い荒地で点呼を取っている兵士たちを眺めていた。 (あれで全部か。それなりの人数だが、大した数ではないな) レイヴンは軽やかに地上に降り立つと、黒い煙と共に人の姿になる。兵士たちはレイヴンに気が付いて身構えた。 「なんだ貴様!」 「お前たちをここから先は通すわけにはいかない。大人しく尻尾を撒いて逃げるんだな」 「貴様、あの狼の手先か!そこをどけろ!さもなくば……」 「さもなくば、何だ?」