俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 心臓が大きく跳ねる。
 今まで何度も「好きだ」と言われたことはあるけれど、そのどれよりもずっしりと重みがある言葉。じわじわと実感がわいてきて、嬉しくて泣きそうになる。

「結衣、返事は?」

 感激で言葉を失っている結衣に、浩斗が困ったように尋ねる。

「……はい、よろこんで」

 震える声で答えた瞬間、浩斗は満面の笑みを浮かべた。

「ありがとう、結衣。絶対に幸せにする」

 低く、優しい声が耳元に響く。
 会社の命令でいやいや入れたマッチングアプリ。
 お互いの第一印象は最悪の出会いだったのに、まさかこんな風になるなんて思いもしなかった。
 浩斗の胸に顔を埋めながら、結衣は小さく笑う。

「これから、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
「結婚式で、なれそめを聞かれたらなんて言いましょう。『恋愛バトルをしていたら本気になりました』なんて言っても、みんな信じてくれないかも」
「逆に、俺達らしいって笑われるかもしれない」

 浩斗はくすっと笑い、結衣の頬を両手で包み込む。

「たしかに、それもそうですね」

 結衣も笑いを零す。これから先、出会いを尋ねられたらきっとこう答えるだろう。

 ──きっかけは、シェアラでした。

 静かに目を閉じると、優しく唇が重なった。

<了>