俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~


 6月には珍しい快晴のこの日、都内にある某有名チャペルでは結婚式が行われていた。
 讃美歌が響く幻想的な空間の中、ウエディングドレス姿の花嫁が父親と共にバージンロードを進む。一歩歩むたびに、長く伸びたドレスの裾が揺れていた。
 祭壇の前で、新郎が花嫁の手を取る。式は厳かに進み、神父が「ふたりを夫婦として認めます」と宣言すると、会場中から拍手が沸き起こった。
 新郎新婦の新たな門出を、参列者たちがフラワーシャワーで祝う。

 今日は、夏希の結婚式だ。夏希は彼氏とシェアラをきっかけに知り合い、一年の交際を経て結婚式を迎えた。
 相手は山登りが大好きな夏希と同じ趣味を持つ男性で、紹介してもらって一度だけ結衣も一緒に食事した。終始にこにこしていて、穏やかで優しい人だと感じた。
 何よりも、少しの時間を一緒に過ごしただけなのに、ふたりがお互いをとても大切に思っていることが伝わってきて結衣まで幸せな気持ちになった。

「夏希ってば、すっごい綺麗でしたね」

 結衣は隣にいる浩斗に話しかける。

「そうだな」

 浩斗は頷く。

「でも、結衣の花嫁姿はもっと綺麗だと思う」

 浩斗は耳元で囁くと、ついでに息を吹きかける。結衣は思わず「ひゃっ」と小さな悲鳴を上げた。

「何するんですか!」

 小声で抗議すると、浩斗は愉快げに笑う。