俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

(利害関係からの結婚の提案か)
 
裕美の言うことは、一理ある。
 ウィズンコーポレーションの創業家の一員で、同社の株を多く保有する裕美が身内にいることは、浩斗にとって大きなメリットになるだろう。それに、裕美にとっても夫が浩斗であることで社内での影響力が強くなる。
 もし1年前にこの提案をされていたら、間違いなく浩斗は話に乗っただろう。

 だが──。

「お断りします」

 浩斗の答えに、裕美は眉をひそめた。まさか、断られるとは思っていなかったのだろう。

「意外ね。あなたがこんなに好条件の提案を蹴るなんて」
「自分でもそう思います」

 浩斗はふっと笑う。だが、それでも──。
 結衣が欲しい。あと2週間、全力を尽くしたい。もしダメだったとしても、すぐに他の女を抱く気になどなれない。
 そこに、理屈など関係がなかった。

「本気で言っているの? ウィズンコーポレーションがサイバーメディエーションとの関係を切ったら、どうなるかしらね。あなたはそのリスクを負える?」

 裕美は浩斗を睨みつけた。

「サイバーメディエーションと取引できないことで困るのは、そちらではないですか?」

 浩斗は静かに言い放つ。