俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

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 成瀬から、浩斗が圭吾と一緒にお昼に行ったと聞き、結衣は気が気でなかった。

(なんの話をしたんだろ……)

 圭吾からのメッセージが原因で喧嘩のような状態になっただけに、ふたりの会話の内容が気になる。
 どこか落ち着かない気分のまま、結衣は社長室に午後の予定を伝えに行った。

「本日15:30に、ウィズンコーポレーションの小名木社長がお越しになる予定です。開発センターのご案内にはシステム開発部長が同席されます」
「わかった。ありがとう」

 スケジュールを告げる結衣に対する浩斗の態度は、普段と変わらないように見えた。

「それでは失礼します」

 用件は終わったので下がろうとしたとき、「結衣!」と浩斗に呼び留められた。

「はい」

 結衣は立ち止まり、浩斗を見る。

「……この前は、悪かった。圭吾と親しくしているのかと思って、ついかっとなった」

 ばつが悪そうに謝罪する浩斗の態度に、結衣は驚く。あの夜のことを思い出し、結衣も身じろいだ。

「あれは……私もすみませんでした。でも、和賀さんとは、本当に浩斗さんから責められるような関係じゃありません」
「わかってる」
「え?」
「さっき、圭吾と話した。誤解して悪かった」

 素直に謝られ、益々驚いた。けれど、昼ご飯を食べながら話をして誤解が解けたのだろうと一安心する。

「結衣。今日は元々、週に一度のデートの日だろ。実は今夜19時からここを予約してあるんだ。一緒に行かないか?」

 浩斗は、結衣にも見えるようにスマホを差し出す。夜景が見えるおしゃれな感じの都心バーベキュー施設の写真が写っていた。

(あ、ここって行きたかったところだ)

 写真には見覚えがあった。以前、夏希が彼氏と行ったと教えてくれたところに違いない。

「わかりました。いいですよ。楽しみです」

 結衣がにこっとすると、浩斗はほっとしたように口元に笑みを浮かべた。