俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 圭吾は頷く。浩斗が時計を確認すると、もうすぐ十一時半になるところだった。
 ちょうどいい時間だからと一緒に食事することにしたふたりは、レストランに向かう。テーブルに向かい合って座ると、料理を注文した。浩斗は和賀がソファー席に置いた荷物の中に、お洒落なお菓子の紙袋があることに気付く。

「午後は、このまま取引先に挨拶にでも行くのか?」
「いや?」

 圭吾はなぜそんなことを聞くのかと言いたげに首を傾げたが、浩斗の視線に気付いてすぐに理解したようだ。

「これは、結衣さんにお礼に貰ったんだ」
「結衣に?」

 なぜ結衣が圭吾にお礼を渡すのかと、浩斗は怪訝に思う。

「実は、先日たまたま会った際に少し落ち込んでいるように見えたから、気分転換にいいカフェを紹介したんだ。これはそのお礼にって。結衣さんって、気が利いて本当にいい子だよな」

 経緯を説明する圭吾は、終始にこにこしている。

「今日もなんとなく元気なさそうに見えたんだけど、大丈夫かな? あとで連絡してみるかな」

 圭吾はしきりに結衣に気に掛ける様子を見せる。その様子に、急激に焦燥感が募った。

 以前、圭吾はベストパートナーだと言って結衣のプロフィールを見せてきた。つまり、結衣と圭吾はカップル成立率99%以上の相性のよさである可能性が高いのだ。

(もしかして、結衣がよそよそしくなったのは圭吾が原因か?)

 このままでは圭吾に結衣を奪われてしまうのではないかと、焦りが押し寄せてきた。浩斗はぎゅっとこぶしを握る。

「圭吾。今後は仕事以外で、結衣と接触するな」
「え?」

 圭吾は驚いた顔をする。