俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

【今日は偶然会えて嬉しかったです。遅くまで仕事で大変ですね。お疲れ様】

 和賀から届いたメッセージを見て、結衣は乾いた笑いを漏らす。浩斗と待ち合わせしていたので、仕事をしている最中だと思われたようだ。

【こちらこそ会えて──】

 途中まで打ち込み、結衣は指を留める。

『もうあいつとは個人的な連絡は取るな』

 浩斗に言われた言葉が、脳裏によみがえった。

(なんであんなこと言われなきゃならないのよ)

 結衣は指先で唇に触れる。先ほどまで熱を交わしていた感触が、まだ残っている気がした。
 結衣は唇を引き結ぶ。

「本当に、マッチングアプリなんてもううんざり」

 ぼそりと呟いた言葉は、電車の喧騒に掻き消えた。