俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 浩斗は小さく頷くと、ハンドルを握った。

 1班のメンバーは、皆それなりにゴルフに心得がある人ばかりだ。
 浩斗も心置きなく、持ち前のプレーで楽しむ。 

「相変わらず上手いわね」

 裕美が浩斗の隣にやって来る。

「いえ、それほどでも。小名木さんも腕を上げたんじゃないですか?」
「まあね。留学中もちょくちょく回っていたから」

 裕美はふふっと得意げに笑った。
 そのとき、裕美の背後──隣のコースが目に入る。

(あれは…)

 結衣が、同じチームの人とにこやかに歓談しているのが見えた。

(上手くやってそうだな)

 ゴルフを一度もやったことがないことや、班の中に自分ひとりしかサイバーメディエーションの社員がいないことで、結衣は不安そうにしていた。上手くやれている様子を見て、浩斗はホッと表情を和らげる。

「浩斗、どうしたの? 行きましょう」

 裕美に腕を引かれ、浩斗はハッとする。

「ええ、そうですね」

 作り笑いを浮かべると、ボールが飛んだ方向へと歩き出した。