俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 微笑んだ浩斗がじっと自分を見つめていたことに気付き、結衣は赤面する。

(子供みたいで、はしたなかったかな)

 一方の浩斗は、とても機嫌がよさそうだ。

「そんなに面白いドラマなら、俺も今度見てみようかな」
「是非! おもしろいですよ」

 結衣は笑顔で頷く。中華恋物語は恋愛ドラマではあるものの、話の主軸は宮廷料理人を目指す主人公の成長の物語だ。男性でも十分楽しめるストーリーだし、現に推し仲間の圭吾は男性だ。

(もしかして、浩斗さんとドラマの話をできる日がくるのかな?)

 それはそれで、とても楽しそうだ。

「今日はありがとうございました。一度食べてみたかったので大満足です」

 結衣は食事を終え、浩斗にお礼を言う。本当に見た目も味も素晴らしくて、今食べたばかりなのにまた今度来たいと思うほどだ。

「どういたしまして。満足してくれたならよかったよ」

 浩斗が片手をあげ、タクシーを呼ぶ。すぐに一台のタクシーが結衣たちの前に停まった。

「送るから乗って」
「いえ。そこまでしていただくわけには。電車で帰るので大丈夫です」

 遠慮する結衣の腕を、浩斗がぐいっと引いて結衣を抱き寄せる。