俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 シャンデリアのかかった大広間の高砂には酒樽が置かれ、その上には「ウィズンコーポレーション 感謝パーティー」と大きく書かれた帯が貼られていた。
 会場内にはスーツ姿の男性やパーティードレス姿の女性が多数おり、思い思いに歓談している。
「……キラキラですね」
 初めて体験する華やかな世界に、結衣は圧倒される。
「私、浮いてるかも」
「大丈夫よ。私が事前チェックしたんだから」
 場違いなのではないかと不安になる結衣を、成瀬が叱咤する。今日は、成瀬に事前に相談して選んだ、いつもより少しだけ華やかなスーツを着てきたのだ。
「パーティー参加も仕事の一環なんだから、気を抜かないで。後日話題になる可能性もあるから、会の最中に社長がご挨拶した方が誰だったかはきちんとメモを残しておいてね」
「はい。わかりました」
 結衣は頷く。
 そうこうするうちに、浩斗が話しかけられる。
「あれはAシステムの鈴木常務よ」
「はい」
「今度はB銀行の佐藤部長」
 成瀬は誰かから浩斗が話しかけられるたびに、結衣に相手が誰なのかを耳打ちして教えてくれた。