俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 結衣はうーんと腕を広げて伸びをする。

「はあ、コーヒーでも飲も」

 悶々としながら給湯室へ向かう。
 コーヒーを持って自席に戻ると、デスクに置かれたスマホの画面が光っていた。見ると、エンちゃんからメッセージが届いている。

【おめでとう! ベストパートナーが見つかったよ?】

 エンちゃんはハートをきらきらと飛ばしながら踊っていた。

「何を今さら……知ってるし」

 結衣のベストパートナーは、もう何カ月も前から浩斗だ。今更教えられなくても知っている。
 結衣はシェアラを開かずに、画面をオフにした。

「横溝さん、ちょっといい?」

 ちょうどそのとき成瀬に呼びかけられ、結衣は「あ、はい」と立ち上がる。

和賀圭吾(わがけいご)さんとベストパートナーになったよ】とシェアラのメッセージが切り替わったが、結衣は確認することなく画面をオフにした。

***

 サイバーメディエーションでは、週に一回役員が集まっての経営会議が行われる。
 この日は、シェアラの業績についての報告がされていた。