俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 最近は以前のような俺様発言はないし、負けず嫌いなところはあるけれど、根は優しいことも知っている。
 直してほしいところと言われても、すぐには言葉が出てこなかった。

「それは秘密です」

 結衣はぷいっとそっぽを向く。

「うわー、イケメンの兄ちゃんが振られたぞ!」
「よし、これは奢りだ! 頑張れよ!」

 周囲の酔っ払いは浩斗に絡んで、大盛り上がりしていた。浩斗は困ったように肩を竦めている。

(私はきっと、浩斗さんの気持ちを受け入れるのが怖いんだ)

 自問自答して辿り着いたのは、それだった。
 今までの男運が悪すぎて、言い寄ってくる浩斗を完全に信じ切れない。好きと言いながら本当は勝負に勝つために口説いていうのではないかと、疑いを拭いきれないのだ。それで、また裏切られるのが怖くて、無意識に一線を引こうとしている。

(こんなんじゃ、誰ともきっと付き合えない)

 結衣は人知れず、ため息をついた。

「なんでこの店にしたんですか?」

 結衣は浩斗に尋ねる。

「気に入らなかったか?」
「そういうわけじゃないですけど、社長の好きなところにしていいって言ったのに」