俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 しかし、最初のルールで全ての機能をオンにすることに同意したのは結衣自身だ。

「どこの店がいいかな。結衣が好きそうなところは──」

 浩斗はスマホをいじって、店の検索を始める。

(そういえば、最近いつも浩人さんが私に合わせてくれている気が……)

 しかも、かなり好みが当たっているので、色々考えて選んでくれているのだろう。

「今日は社長の行きたい店でいいですよ」
「俺の行きたい店?」
「はい。だって、最近いつも私に合わせてくれているじゃないですか」

 結衣がそう言うと、浩斗は驚いたように目を丸くしてからふっと口元を緩ませる。

「そうだな。じゃあ、お言葉に甘えて──」

 浩斗は一軒の店の名を言った。

(まさか この店を希望するとは──)

 結衣は通いなれた店の看板を眺める。

 ここは、以前結衣が浩斗を連れてきた、大衆居酒屋だ。浩斗から幻滅されるために連れて行ったはずが、逆にお気に入りの店になったようだ。

「結衣ちゃんに彼氏さん、また来てくれたんだね。いらっしゃい!」
「彼氏じゃないですって!」

 結衣はむきになって訂正する。

「なんだい。まだ付き合ってなかったのか」