「こちらこそありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
ふたりは固い握手を交わして、解散となった。
浩斗と成瀬は、取引先の重役が車に乗り込むのを見送る。車の姿が見えなくなったところで、ようやく気が抜ける。
「社長。お疲れさまでした」
「ああ、成瀬さんもお疲れ様」
浩斗は成瀬を労う。
時計を確認すると、時刻は八時半だった。
「今日は早く終わりましたね」
「ああ、そうだね。あの方は夜の十時半には寝るのが習慣だそうだから、ちょうどいい時間だろう。成瀬さんも、早く帰ってゆっくりするといい」
「はい、あの……よかったら、このあと飲み直しに行きませんか?」
浩斗は驚いて、成瀬を見つめる。成瀬とはかれこれ五年近く仕事の付き合いがあるが、これまで私的に誘ってきたことは一度もなかった。浩斗の視線を受け、成瀬は少し照れたように頬を赤らめる。
「……悪い。そういう交流はしないことにしているんだ」
浩斗が長期にわたって成瀬を秘書に置いていたのにはふたつ理由がある。
ふたりは固い握手を交わして、解散となった。
浩斗と成瀬は、取引先の重役が車に乗り込むのを見送る。車の姿が見えなくなったところで、ようやく気が抜ける。
「社長。お疲れさまでした」
「ああ、成瀬さんもお疲れ様」
浩斗は成瀬を労う。
時計を確認すると、時刻は八時半だった。
「今日は早く終わりましたね」
「ああ、そうだね。あの方は夜の十時半には寝るのが習慣だそうだから、ちょうどいい時間だろう。成瀬さんも、早く帰ってゆっくりするといい」
「はい、あの……よかったら、このあと飲み直しに行きませんか?」
浩斗は驚いて、成瀬を見つめる。成瀬とはかれこれ五年近く仕事の付き合いがあるが、これまで私的に誘ってきたことは一度もなかった。浩斗の視線を受け、成瀬は少し照れたように頬を赤らめる。
「……悪い。そういう交流はしないことにしているんだ」
浩斗が長期にわたって成瀬を秘書に置いていたのにはふたつ理由がある。



