俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 今日の同行は結衣だと思っていた浩斗は、成瀬が一緒に行くと知ったとき、おやっと思った。

「横溝さんは?」
「今日は都合がつかないようで、交代したんです」
「そうか。ご苦労様」

 浩斗は成瀬にねぎらいの言葉をかける。
 今日の会食は午前中に急に決まったので、予定が入っていたとしても不思議はない。

(なんの予定だろう)

 昨日のこともあるから、さすがに男と会っているということはないだろう。それでも、なんとなく気になってしまう。

(まさか俺が、あいつにこんなに興味を持つことになるとは──)

 つい三カ月前までは想像すらしていなかった。


 
 会食は神楽坂にある和食料亭で行われた。
 和やかに食事が進み、あっという間にお開きの時間となる。

「今日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」

 取引先の重役に手を差し出され、浩斗は手を握り返す。
 会食は時間が取られるわずらわしさがあるが、年配の経営者が相手の際は今もなお、一番効果的な営業手法だ。酒を酌み交わして言葉をかわせば、自然と相手の心理的障壁も取り払われ、その後の商談もスムーズに進むことが多い。