「へえ。じゃあ、これはどう説明するつもりだ?」
浩斗はスマホを取り出すと、画面を阿部の顔の前に突き出した。そこには、さっきまでいたスペイン料理屋の座席でパソコン画面を睨む阿部の動画がはっきりと映っている。「くそ。やっぱ顔認証か」と呟く声も録音されていた。
「なっ」
阿部の顔が一気に青くなる。
「これは、サイバーメディエーションで開発したセキュリティシステムのひとつだ。今回の入札で情報漏洩の可能性があると知覚したことから、当該資料にアクセスできる社員の端末で一定回数ログインエラーすると自動でインカメラが撮影を開始して関係者に動画、音声、位置情報を転送するよう設定されていた」
浩斗は険しい表情で、阿部を睨みつける。
「すでに、警察にも通報済みだ。言い逃れはできないぞ」
阿部は悔しそうに、押し黙った。
***
阿部との一連の騒動のあと、結衣は浩斗によって、彼のマンションに連れられて行った。
まだどこか現実感のないまま、ソファーに腰かける。阿部が結衣のワインに混入したと自白した睡眠薬が抜けきっていないからかもしれない。
浩斗が心配そうに、結衣の顔を覗き込む。
浩斗はスマホを取り出すと、画面を阿部の顔の前に突き出した。そこには、さっきまでいたスペイン料理屋の座席でパソコン画面を睨む阿部の動画がはっきりと映っている。「くそ。やっぱ顔認証か」と呟く声も録音されていた。
「なっ」
阿部の顔が一気に青くなる。
「これは、サイバーメディエーションで開発したセキュリティシステムのひとつだ。今回の入札で情報漏洩の可能性があると知覚したことから、当該資料にアクセスできる社員の端末で一定回数ログインエラーすると自動でインカメラが撮影を開始して関係者に動画、音声、位置情報を転送するよう設定されていた」
浩斗は険しい表情で、阿部を睨みつける。
「すでに、警察にも通報済みだ。言い逃れはできないぞ」
阿部は悔しそうに、押し黙った。
***
阿部との一連の騒動のあと、結衣は浩斗によって、彼のマンションに連れられて行った。
まだどこか現実感のないまま、ソファーに腰かける。阿部が結衣のワインに混入したと自白した睡眠薬が抜けきっていないからかもしれない。
浩斗が心配そうに、結衣の顔を覗き込む。



