俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 熱を出すと後遺症が残るのはよくあることだ。そして、浩斗は現在進行形で前例のない後遺症に悩まされていた。
 社長室で机に向かい仕事をしていると、ドアをノックする音がした。入ってきたのは結衣で、片手にたくさんの郵便物を抱えていた。

「こちら、本日届いた分です」
「ああ」

 ちらりと視線を向けると、結衣と目が合う。

「すっかりよくなったみたいで、よかったですね」

 結衣がにこっと笑いかけてきた。浩斗はさっと目を逸らし「そうだな」とそっけなく答えた。
 結衣は特に何も言うことなく、すぐに社長室を出て行った。

 ひとりになった浩斗は項垂れる。

「まずい。高熱を出したせいか、目がおかしくなっている」

 最近この異常現象にたびたび悩まされてはいたのだが、熱を出していよいよ本格的におかしくなった。結衣のことが、とても可愛く見えるのだ。それに、彼女が気になってつい目で追ってしまう。

(俺があんなちんちくりんを可愛いと感じるなんて──)

 ありえない。