「スケジュールは田端さんと成瀬さんが全部調整してくださっているはずなので、今日一日ゆっくりしてください」
結衣はにこりと笑う。
「いろいろと、迷惑かけてわるかった」
俯き気味に謝ると、結衣は怪訝そうな顔をする。
「社長」
「なんだ?」
「こういうときは『迷惑かけてわるかった』じゃなくて『色々とありがとう』って言うんですよ」
「え?」
「まさか家の中でも完璧主義なんですか? 病人に気を使われたって嬉しく有りません! なんでもひとりでやろうとせずに 困っているときはもっと頼ってください。田畑さんも成瀬さんも心配していましたよ」
結衣は怒ったように口をとがらせる。そして、少しの沈黙のあとに「それに、社長が風邪をひいたのは、私にも責任がありますし。昨日、濡れないように気遣ってくださりありがとうございました」
どこか居心地悪そうな様子で謝罪され、浩斗は意表を突かれる。
(小さい頃から、周りを失望させないように、気を張り続けてきたのに、きみはその壁を簡単に取り去ってしまうんだな)
目が合うと、結衣はにこっと笑う。
「おいしいですか?」
「ああ、ありがとう」
「どういたしまして」
屈託なく笑う結衣の笑顔は、浩斗がこれまでにいた誰よりも輝いていた。
***
結衣はにこりと笑う。
「いろいろと、迷惑かけてわるかった」
俯き気味に謝ると、結衣は怪訝そうな顔をする。
「社長」
「なんだ?」
「こういうときは『迷惑かけてわるかった』じゃなくて『色々とありがとう』って言うんですよ」
「え?」
「まさか家の中でも完璧主義なんですか? 病人に気を使われたって嬉しく有りません! なんでもひとりでやろうとせずに 困っているときはもっと頼ってください。田畑さんも成瀬さんも心配していましたよ」
結衣は怒ったように口をとがらせる。そして、少しの沈黙のあとに「それに、社長が風邪をひいたのは、私にも責任がありますし。昨日、濡れないように気遣ってくださりありがとうございました」
どこか居心地悪そうな様子で謝罪され、浩斗は意表を突かれる。
(小さい頃から、周りを失望させないように、気を張り続けてきたのに、きみはその壁を簡単に取り去ってしまうんだな)
目が合うと、結衣はにこっと笑う。
「おいしいですか?」
「ああ、ありがとう」
「どういたしまして」
屈託なく笑う結衣の笑顔は、浩斗がこれまでにいた誰よりも輝いていた。
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