俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

 浩斗は智紀を睨みつける。

「約束通り彼女には会わせた。今度こそお引き取り頂こう」

 浩斗の広い背中が前に来て、智紀が視界から消える。

(もしかして、私を助けてくれてる? めちゃくちゃ脈ありじゃない?)

 まるで恋愛漫画のような展開に、ふたりのやりとりを見守る玲奈のテンションが上がる。

「ああ、そうだ。勤務時間に突然当社に押しかけて無礼な行為を働いたことは、しっかりとKZ情報システムに抗議させてもらうからな」

 氷のように冷たい声で、浩斗は智紀に言い放つ。少し体をずらすと、浩斗の背中越しに青い顔の智紀が「そんな…」と言いながらガクッと膝から崩れ落ちるのが見えた。

(きゃー! あっという間に成敗!)

 やっぱり男はこうでなくっちゃと玲奈は満足感に浸る。にまにましながら眺めていると、浩斗がくるりと振り返って玲奈のほうを向いた。

「社長! 助けてくださりありがとうございます」

 口元に両手を持ってきて、ぶりっこしながらお礼を言う。さりげなく浩斗にボディタッチしようとしたが、伸ばした手はふいっと避けられた。浩斗は玲奈のことも、冷ややかに見つめる。