アオさんのところにお世話になって数日が経った。
いくら浴室とはいえ、バスタブの外には水を溢れさせないこと。
やっぱり海水を少し混ぜないと息苦しくなること。
ここにあるのはドレッサーではなく、洗面台というドレッサーだったこと。
ヒトの食べ物がめちゃくちゃおいしいこと。
わたしはなるべく迷惑にならないように心掛け、アオさんの言うことをよく聞いた。
アオさんもまた、わたしの尽きないお喋りに、文句も言わず付き合ってくれた。
そうしてわたしは様々なことを知っていったし、イルカや網に弄ばれてできた傷も順調に治っていった。
それどころか海にいた頃よりずっと調子がいい。
「それもこれも、わたしがアオさんのことを好きになったからだと思うんだけど、アオさんはどう思う?」
「いや待て待て、さすがにスルーできないんだけど」
ラジオを聴きながら泡と戯れていたわたしは、アオさんの言葉に目をぱちくりさせた。



