ワンルーム、きみと小さな海をみる



そういえば、前に聞いたことがある。

とある人魚がヒトの王族に恋をしたと。

その人魚も魔女のところに行って、ヒトになりたいと願ったらしい。




「……んな都合のいい話あるかよ」

「もちろんタダでじゃないよ。魔女に願いを叶えてもらうには相応の対価を払わなくちゃいけないの。その人魚も代わりに自分の美しい声を差し出して、ヒトにしてもらったんだって」



……あれ?結局、その人魚はどうなったんだろう?

同郷のはずだから、たとえヒトのままでも人魚に戻ったとしても事の顛末くらいは耳に入ってくるはずだ。


思い出せずにうーん、と悩んでいると「おまえは?」とアオさんが聞いてきた。