息を弾ませながら風を切るように誰よりも大きく動く南に、白昼色の照明の光が集中しているように見えた。
「荒っぽさが目立ちますが、現状1番華がある。
南さんが真ん中にいると、不思議とそうじゃない時より全員の動きが揃う気がします。
みんな、無意識に南さんに引っ張られているというか……」
的確な表現を探して、宇都さんがムム……と唸る。
SEIKOさんがスッと手を上げて“もういい”と合図した。
「おおよそ私も同じ意見。やっぱり宇都は、タレントを分析する目だけはあるわね」
「……褒めてますか?それ……」
私たちを真っ直ぐ見据えるSEIKOさんの後ろ姿に、宇都さんは苦笑いする。
「あら!あなたのことは買ってるわよ?
――さて、今日のレッスンを見て意思が固まった。
あの子たちにも、通達しましょうか」
私たちがまだ知らない情報が詰まったタブレットを抱える、宇都さんの手に力が籠る。
緊張を飲み込んで喉を鳴らし、静かに「はい」と頷いた。
――――
――……
翌日。レッスン開始前。
私たちflying-Hiメンバーは、SEIKOさんの号令で彼女の前に整列して集まった。
「今日は皆さんに重大なお知らせがあります。
――宇都」
SEIKOさんの背後に控えていた宇都さんが、スッと前に出る。
ずり落ちてるメガネを何度も持ち上げて、緊張を隠しきれない様子だ。
「み、……皆さんの、デビュー日が決まりました……!」



