一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―




某日、早朝

今日も今日とてレッスンスタジオの階段を、3階まで一気に駆け上がる。


自宅とスタジオの往復にも慣れて、これがいつもの光景になってきてる。


スタジオAと表記された、防音扉を静かに開ける。


毎日の光景がここにもひとつ。


すでに煌々と明るいフロア。
室内奥のいつもの位置に華奢な色白男子。


――ユウキだ。


(今日も早いな。また私が2番だ)


自主練の邪魔にならないようにコッソリと中に入る。

イヤホンをつけて外の音をシャットアウトして、伸ばした指先をボーッと見つめているユウキは、まだ私に気付かない。


今はストレッチ中か。まだ来て間もないと見た。


ユウキと私は早朝練仲間みたいになってる。
他のメンバーは大体時間キッカリ、なんならちょい遅刻してくるからこの時間はいつも2人っきりだ。


1セット終えたらしい。ピタ、とユウキの動きが止まる。
イヤホンを外しながら外にズラした視線が、私の姿を捉えた。


「――あ、オハヨウ!」

「……はよ」


弾む息を堪えた、掠れ気味の挨拶が返ってくる。
ふい、と視線はすぐに逸れた。


「…………」
「…………」


――それ以外の会話は特にないんだけどね!
いいの、無視されてた時に比べたら大進歩なんだから。